リナとリナの聖女伝説
スレイヤーズ
リナ・インバース(以下リナ)&ナレーション(以下ナレ):♀(CV林原めぐみ)
コピーリナ:♀(以下コピー)(CV林原めぐみ)
ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
- ナレ 「その島には、よる予定はなかったの。その噂を聞くまでは......
- とある港町の食堂での、おっちゃん達のよくある噂話。
- 観光名所に奮闘するさほど大きくもない島に聖女が現れた...
- その名も・・・天才美少女魔導士リナ・インバース。
- この地方に来たのは初めてだし、その島なんかにも、
- もちろん行ったことなとはない。
- 悪名しかないこのあたし...自分で言っててちょっぴしむなしいけど。
- それがよりにもよって聖女とは......。
- どこぞのナーガに聞かれたら爆笑されそうだけど、
- 幸い彼女の姿はここ数日見ていない。」
- コピー「あ...悪党に人権はありません!
- この、リナ・インバースがあなたを成敗します!
- 大人しく取ったものを、返してください!」
- ナレ 「探し回るまでもなく、島に着いたとたんに
- その声は高らかに響いていた。」
- コピー「すべての力の源よ かがやき燃える赤き炎よ
- 我が手に集いて 力となれ!フレアアロー!!」
- ナレ 「見事に彼女が放った炎の矢は、犯人であろう男の足下ギリギリへ」
- コピー「次は、当てますよ?」
- ナレ 「犯人の男は持っていた荷物を放り投げ、一目散に逃げ出した。」
- リナ 「ふ~ん。ただの偽物って訳でも無さそうね。」
- ナレ 「寸分違(たが)わぬその容姿、胸はあたしの方が
- ちょっぴし大きいかな。
- その魔力キャパシティ。
- 誰かが作ったのであろうあたしのコピー.........。
- 彼女は、ギャラリーの中からあたしを見つけるやいなや、
- かけより、あたしの手をぎゅ~っと握ってこう言った。」
- コピー「あなたが本物のリナ・インバースさんですね!」
- ナレ 「ああ、彼女の眼がまぶしいくらいに輝いている...」
- コピー「さぁ、好きなものどんどん頼んじゃってください!
- このお店の人は、たっぷりサービスしてくれるんです。」
- リナ 「あ...そう。じゃぁ、取りあえずメニュー上から順番に持ってきて~!」
- コピー「いや~リナさんに是非お会いしたいと思っていたんですよ!」
- リナ 「あたしに?」
- コピー「はい!あっ!見ての通り、わたしはリナさんのコピーなのですが、
- マスターから色々リナさんの事を聞いているうちに、
- 本当はどんな人なんだろうなって...」
- リナ 「そう。で、あなたのそのマスターは?近くにいないみたいだけど」
- コピー「あ...はい。実は、リナさんに会いたかったのは、
- そのこともあるんです。私のマスターは・・・、
- 正直に言うとリナさんへのうらみから、わたしを作ったのですが...」
- リナ 「ウラミ?」
- コピー「たまたま力を貸した盗賊団を、リナさんが壊滅させてしまったので、
- 一緒に巻き込まれたのをうらんで...」
- リナ 「あ~...やっぱし、そういうたぐいか」
- コピー「始めはわたしもリナさんみたいに豪快な性格設定だったのですが、
- どうやら見た目がマスターの好みだったらしく、
- 性格設定を自分好みに変えだして、
- リナさんの悪行を叩き込ました。」
- リナ 「あ...それで、なにやら仕草がちょっぴし乙女っぽい
- と思ってたのよね。」
- コピー「でも、根本はリナさんですから、その...」
- リナ 「まさか......」
- コピー「はい。あまりにマスターの態度がストーカーよろしく
- 変態になってきたので......ぶっ飛ばしちゃいました。」
- リナ 「まぁ...うん。あなたは間違っていないと思うわ。」
- コピー「それでですね!わたし、リナさんの様になりたいんです!」
- リナ 「ええ?......ほんとにいいの?」
- コピー「はい!ですから、目に入った悪をぶっ飛ばし、
- 貰えるものは貰っていくという精神で!?」
- リナ 「そんな、目をキラッキラして言われても......。
- まぁ、あなたらしくでいいんじゃない?
- うまくやれてるみたいだし。」
- コピー「では、これからもリナさんのコピーとして
- やっていってもいいですか?」
- リナ 「あ......それは.........もう、あなたとしての個性があるなら、
- あなた自身の名前でいいんじゃないかしら?」
- コピー「わたし自身の名前?」
- リナ 「そう。あなたの名前。コピーじゃなくてそっくりさんってことで。
- 名前は......」
- コピー「あ!それなら、リナさんと思いたくないマスターが
- わたしのことはリリィと呼んでました。」
- リナ 「ぶっ飛ばしたマスターが付けた名前でいいの?」
- コピー「はい、この名前は気に入っていたので。
- まぁ、良くも悪くもわたしを生み出してくれたマスターですから。」
- リナ 「あなたが納得しているならあたしは何も言うことはないけどね。」
- コピー「やっぱり、リナさんに会えてよかったです。」
- リナ 「あたしもよ。リリィ。」
- ナレ 「こうして、あたしはこの島を後にした。
- 彼女はこれからリリィとして、聖女伝説を作っていくことだろう。
- あたしの名前でそんな伝説が出来ようものなら、
- きっとキャラ崩壊もいいところだ。
- まぁ、また会うこともあるかもしれない。
- 彼女とはいいお友達でいたいものだ。」
終