~獏~
モノノ怪
薬売り・・・独特な雰囲気の薬売り(以下 薬):♂ (cv櫻井孝宏)
獏・・・薬売りの声を真似ているアヤカシ(以下 獏):♂
※括弧外の部分は状態や情景なのでおまかせします。
1人で出来るように考えた台本ですが、2人でも可能です。
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- 何もないところで気がつく薬売り
- 薬「・・・おや?ここは?こいつは、引き込まれてしまったかな?」
- どこを見渡しても何もない
- 薬「ふぅ・・・。こいつは、こまった。モノノ怪の気配はするが、
- こう何もないところで、形が見えないとは。
- 人の世にいでしモノノ怪は、斬らねばならぬ。
- が、斬るもままならない。」
- 刀を取り出しかまえる
- 薬「ひとまず、その、真と理。見極めさせていただく!」
- 獏『ひとまず、その、真と理。見極めさせていただく!』
- 声が反響してかえってくる
- 薬「ほう・・・。変化が。」
- 獏『ほう・・・。変化が。』
- 薬「誰か。誰かいませんか?」
- 獏『誰か。誰かいませんか?』
- 薬「こだま・・・か?」
- 獏『違うな』
- 薬「違うか。話は可能か?」
- 獏『違うか。話は可能か?』
- 薬「これはまいった。これでは形も真も理も、
- いったいどうしたらよいのやら。
- ・・・!?ん?風が・・・。」
- 突風がふく。
- 薬「いっっ・・・。血が出ていない。かまいたちか?」
- 獏『否。かまいたちにあらず。』
- 薬「ならば、何故に。俺を惑わせて、なにをする?」
- 獏『惑わせて、なにをする?』
- 薬「人の声を借り、なにを狙う?」
- 獏『人の声を借り、なにを狙う?』
- 急に空気が冷えだす。
- 薬「今度は冷気か。コレで俺を追い詰める気か?」
- 獏『はっはははははははは(笑)』
- 走り出す薬売り。ついてくる笑い声
- 獏『はははははははははははは』
- 薬「走っても走っても、果てが見えてこない。
- しかし、少しづつだが、道が見える。」
- 獏『ははははははははははは』
- 薬「モノは試し。右に壁!」
- 獏『右に壁!』
- 右側に壁が現れる
- 薬「壁が現れた!なるほど。では、左に階段!」
- 獏『左に階段!』
- 左側に階段が現れる
- 薬「やはり、左に階段が!」
- 薬「みえた!」
- 獏『みえた!』
- 薬売り立ち止まりかまえる
- 薬「そなたの真!この場は夢にあり!」
- 獏『この場は夢にあり!』
- 薬「その形!夢のモノノ怪・・・獏か!」
- 獏『わが名は漠。それには答えよう』
- 刀がカキン!となる
- 薬「刀がなった!形見たり!」
- 獏『さあ、そろそろか。』
- 薬「真が足りないのか?理はなんだ!」
- 獏『その夢、いただく!』
- 薬「獏の理、悪夢を喰らうもの!」
- 獏『悪夢を喰らうもの!』
- 刀がなる
- 薬「理を得たり!」
- 獏『足りぬ!』
- 薬「くっ!?刀がぬけない!喰われる!」
- しばらくの間
- 獏『うむ。なかなかの珍味。』
- しばらくの間
- 目を覚ます薬売り
- 薬「・・・。なにやら、夢をみていたような?・・・ん?
- 刀が。震えている?そうか。夢とは。人の世、うつつの境。
- モノノ怪とすれ違ったか。」
- 刀がなる
- 薬「刀が・・・なった。最後の真とみたり。
- 人の世であだがなくば斬ることはできぬ。」
- 獏『はっはっはっはっは(笑)』
- 薬「さてっと。昼寝が過ぎたか。薬を売りに次の地へ行きますか。」
- どこかの屋敷
- 薬「怪しいものじゃ、ありませんよ。私は、薬売り。
- ちょっと、変わったものもありますがね。」
終